CX-60のエクスクルーシブモダンが納車されたので一般道と首都高速を100kmくらい走ってみました。まだこなれていない部分もあるかもですがレビューをしたいと思います。
ギクシャクの様子
低速でギクシャクすると言われていましたが、これは確かに気になります。
これはトルコンATやCVT車に乗っているとギアチェンジを感じないので、今回のトルコンレスの採用で特に気になると思います。
いつモーターが動いているのかはよくわからないですが、1速のレンジがかなり狭くて2速につなぐときに少しパワーが落ち込む感覚が違和感だと感じました。
速度が落ちることはないのできちんとギアチェンジできているとは思うのですが、「ブーン(1速)、ブーン(2速)、ブーーン(3速)・・・」というイメージでいたのに「ブン(1速)、ブゥン(2速)、ブーン(3速)・・・」とギアチェンジされるので、感覚とのズレがあるなと思います。
乗り心地の問題・・・そこじゃない
「硬い」という表現がよくつかわれますが、これは最初に挙げられる要素では絶対にないと思います。
クラウンやセルシオと比べたら硬い、アルファードやVOXYと比べたらしっかり感が強い、CX-5やベンツのCクラスと比べると同じくらいと感じました。
硬くて跳ねるとか、吸収できていないとかは「自分の走った道と感覚では」ネガティブ要素ではないというのが率直な感想です。
もっと先に出されるべきネガティブ要素は「ギア」ではないでしょうか。
音や振動はそこそこありますし、モーターとギアのマッチングはもう少しジェントルになったらいいなと思います。
スポーツ寄りなダイレクト感はMazdaのコンセプトでアリだと思いますが、コンフォートエディションのようにCVTのようなダイレクト感がなくてもリニアにアクセルと速度(スピードではなくて変速の感覚)が連動する方が違和感少なかったなと。
もう一つは半クラッチが長いような感覚です。
アクセルON>半クラッチ>1速が超ショート>2速が超ショート・・・というのが問題ではないかと。
アクセルONから車速が上がるタイミングが遅くて「あれ?」って感じた直後に、その車が進んでいない感覚の時間に低速ギアがどんどん変わるのが違和感の原因と感じました。
アクセル開度とギア、アクセル開度と車速が「ダイレクト」ではないのがギクシャクという言葉で表されるように感じました。
利用環境を選ぶ
この事象もアクセル開度を大き目にして一気に加速できる状況であればそこまで気になりません。
混んでいる道路や信号の間隔の短い都心部でゆっくりアクセルを開けて、またアクセルを離すというような走り方をするときに感じることが多いので、乗る環境を選ぶなと・・・
自分は都心部での街乗りメインなので、ここはアンマッチだったかなぁと。
アイドリングストップはOFF
アイドリングストップからの復帰の音は確かにあります。
まあ我慢できるかできないかと境界線にあるくらいのレベルだと思います。
ただ、振動が来るほどギアの噛むショックがあるかというとそんなことはなくて「音」が不快の主原因と感じました。
実はアイドリングストップは初体験なのですが、都内で1mずつ進んでは止まるという渋滞状況ではギアが細かく上がる>減速してエンジンを止めようとする>エンジン停止>復帰で音がする・・・の繰り返しで不快の積み上げでしかない状況でした。
アイドリングストップをOFFにすれば復帰音もしないですし、シフトダウンのギアを変える感じも軽減できるので、とりあえず常時OFFになりそうです。
遮音性は高いけど自爆気味?
アルファードからの乗り換えですが、遮音性はCX-60の方が良いように感じます。
しかし静かゆえに運転席の近くにあるギア回りの音が気になってしまうという状況です。
自分で出している音が一番気になるのがもったいないところ。
ロードノイズもアルファードより静かですし、これより静粛性を求めるとコストや走っている感を大事にする方向性とのアンマッチかなとも思っています。
やっぱ見た目やエンジンに興味はあるけど、走りとかこだわっていないので、静かで柔らかめの味付けだと万人受けするんだろうなと。
そうなるとハリアーなどとバッティングしますし、トヨタの販売力にかなうわけでもないので、客を選んでいるんだろうと思っています。
日本市場はオマケ
Mazdaが日本でシェアを今の何十倍にもするのは不可能ですし、実際のターゲットは海外であることを考えると、日本人が好む味付けや道路環境にマッチした車にはならないんだろうなと。
日本車を輸出する時代を知っているとなかなかマインドチェンジできない部分もありますが、どのメーカーも日本はオマケ市場になるのは当然だろうなと思います。
自分が期待する乗り心地や利用環境と実際に提供される車とのアンマッチは自分の感覚の問題でもありそうだなと。時代の変化についていけてない自分自身の感覚が要因の一つという認識はあると思います。
車両価格の上昇
車両価格と車の価値はアンバランスかというと微妙なラインと感じています。
約500万円はやや高めな感じはしますが、クラウンよりちょっと安めだとするとまぁ、アリかなと。
クラウンの170系(2000年頃)と220系(2022年頃)では同じグレードで100万円以上車両価格が上がっていて、いまの安全装備や環境性能などを整えるとこういう価格になっちゃうんだろうなと。
これも自分の感覚とのズレで、いままで400万円くらいでも高級な部類なイメージが、ちょっとよさげなファミリーカーでも400万円する時代になっていて、そのあたりの相場感がしっくり来ていないところもありそうです。
納期はかかりますが、ハイブリッドのない25SやXDで装備が充実したものを選べば納得感は一気に上がると思われます。
デザインや使い勝手
デザインは個人の感覚なので評価は難しいですが、BMWのX3のデザイン感に近い方向性で自分的には納得です。
内装もおしゃれですし、質感も上手に高めていると思います。
ただ、収納やカップホルダー、小物入れといったユーティリティが足りな過ぎて、走ること以外の使い勝手が悪いのが難点です。
特にミニバンからの乗り換えだと収納系の工夫がたくさんあるので、不便になった感は結構強く感じました。
ガソリンが試乗できたら試したい
ずっとガソリン車に乗ってきて、ストップ&ゴーが多い環境で、ゆるゆるクリープ+αで進むような機会も多いことを考えると、25Sはちょっと楽しみです。
本当は車重を考えるとターボが欲しいところですが、もしかしたら利用環境やこれまでの慣れにぴったりかも、なんて妄想しています。
総評
利用環境とこれまでの感覚を選ぶ車だなと。
車格的な競合はいくつかありますが、面白さやデザインなどで選ぶと選択肢が他にないというのが正直なところです。
質感や加速感など楽しい部分もあるので、トータルではアリだと思います。
25SやXDではコストパフォーマンスで他社を圧倒できるので、多少のネガティブ要因も許容できるかなと思いました。
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