システムキッチンの具体的な比較検討

リフォーム
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住宅設備メーカーごとに約3ラインナップ、家具店やホームセンターでも販売されているので種類が多くて迷っちゃいますね。
あっぷるどっぐが実際に一覧表を作って検討した機能別の比較で各社の違いを見ていきましょう。

メジャーメーカーのグレード別ラインナップ

スタンダードミドルグレードハイグレード
LIXILシエアS
57万円~
アレスタ
75万円~
リシェルSI
94万円~
クリナップラクエラ
52万円~
ステディア
64万円~
セントロ
119万円~
TOTOミッテ
77万円~
ザ・クラッソ
95万円~
タカラスタンダードエーデル
25万円~
トレーシア
46万円~
レミュー
69万円~
トクラスビービー
78万円~
ベリー
100万円~
ドルチェエックス
226万円~
メジャーメーカーのグレード別ラインナップ

どうしても価格に目が行っちゃいますが、メーカー希望小売価格の考え方や値引き率なども大きく違いますし、実際にお願いするリフォーム会社さんの取扱量などによっても大きく変わるので、価格は「一番最後の予算におさめる」タイミングで良いと思います。
ただ、この「~」というのが曲者で、そもそものサイズや扉のカラーなどをおうちに合わせていくと必ずアップしますので、”ハイグレードはちょっとないかな”といった最初のフィルタリングに使うのはアリだと思います。

各社のグレードごとの違い

意外とグレード間の違いは無かったりもするので、ここは外せないという点が含まれるかを見ながら、絞り込んでいきましょう。
メーカーの中で絞り込んだら、各社との比較で最終チョイスをするという流れで進めていきます。

LIXILのシステムキッチンの違い

LIXILは人気の機能を存分に取り入れ、グレードごとに選択肢を増やしていくようなスタイルで、選びやすいメーカーだと思います。

シエラSアレスタリシェルSI
アイランド型
扉カラー274853
ワークトップ人工大理石/ステンレス 人工大理石/ステンレス セラミック/人工大理石/ステンレス
シンク素材人工大理石/ステンレス 人工大理石/ステンレス ハイブリッドクォーツシンク/人工大理石/ステンレス
シンク形状/サイズキレイ・スキット
[標準/スリム]
キレイ・Wサポート・スキット
[ワイド/標準]
キレイ・Wサポート・スキット
[ワイド/標準]
フロアユニットポケット/トレーボードドアポケット/ ポケット/トレーボード らくパッと収納/ ポケット/トレーボード

  • システムキッチン形状
    • アイランド型にする場合はアレスタかリシェルSIを選ぶことになりますね。
    • グレードも上になりますが、アイランド型を選べるおうちであればネガティブ要素ではないでしょう。
  • 扉カラー
    • グレードが上がると扉のカラー・形状・質感・取っ手の種類が多く選べるようになります。
      カラーやデザインでお好みのものが特定のグレードにしかなければそれで選ぶものアリですね。
    • ワークトップ
    • 最上位グレードはステンレスのワークトップが選べます。質感や強度がステンレスや人工大理石とは違うのでここにこだわりがある方はリシェルSIを選ぶことになります。
  • シンク素材
    • 最上位グレードは「ハイブリッドクォーツシンク」なるものが選べます。ステンレスと人工大理石の良いとこ取りをしたような素材で質感も高いので憧れますね。
    • かなりそそられますが、最上位グレードに絞られてしまうので泣く泣くパスしました。
  • シンク形状
    • 「Wサポート」はステンレスのみですが、全高の中段に1段段差があって(アンダーレーン)、そこに水切りカゴやプレートを設置すること調理中の食材を置いたり、水切りカゴとして使えるものです。まな板などと同時利用ができるのでスペースの有効活用ができます。
    • 私はシンクは水がはねる場所という認識で、メリットがイマイチ感じられませんでしたが、ワイドシンク(W940mm)を設置できるおうちでは広すぎるシンクを有効活用できると思います。
      アレスタかリシェルSIなどの中上級グレードで選択可能です。
  • シンクサイズ
    • 人工大理石は標準(W760mm)とワイド(W920mm)、ステンレスは標準(W760mm)とワイド(W940mm)が選べてW900mm越えはあこがれますねー。
    • W2550mmを確保できる広いキッチンであればぜひ選択したいですね。
      こちらもアレスタかリシェルSIなどの中上級グレードで選択可能です。
  • フロアユニット
    • 引き出し手前にラップや包丁などを入れるポケットは全グレード標準装備ですが、中級グレードのアレスタでは扉部分だけが手前にパカっと開いて包丁やラップがさっととれる機能がついています。昔カンガルーでCMしてたやつですね。
    • 最上級グレードのリシェルSIでは手前に扉が斜めに倒れて引き出すことができるので、見やすくラクというものです。

なんとなくオチが見えてしまった気はしますが、価格差に対して物理的にワイドシンクがつけれないことや、これまで扉式のフロアユニットだったので、スライドストッカーになるだけで十分ということでLIXILは「シエラS」を選択しました。

クリナップのシステムキッチンの違い

クリナップは「ステンレス筐体」をはじめとしたステンレスの技術が優れていて、水回りの安心感や清潔さに強いメーカーです。(ステディアとセントロに採用)

ラクエラステディアセントロ
アイランド型
扉カラー304940
ワークトップコーリアン/人工大理石/ステンレスセラミック/コーリアン/人工大理石/ステンレス セラミック/人工大理石/ステンレス
シンク素材人工大理石/ステンレス 人工大理石/ステンレス ステンレス
シンク形状/サイズ[標準/ワイド]流レール
[標準/スリム/ワイド]
クラフツマンデッキ/流レール
[標準]
フロアユニットポケット/スライドボックスポケット/スライドボックス ポケット/スライドボックス

  • システムキッチン形状
    • クリナップは設置形態にあまり制限がないので、欲しい機能やデザインでグレードを選べます。
  • 扉カラー
    • グレードが上がると扉のカラー・形状・質感・取っ手の種類が多く選べるようになります。
    • 選択肢を増やすというより、グレードによってターゲットに応じた質感の素材を用意しているという感じです。
  • ワークトップ
    • ラクエラとセントロはセラミックが選択できます。ステディアはコーリアンが選択でき、流れ模様がキレイで性能の良い人工大理石が選択できます。最上級グレードはなんでも選べるわけではないところが、ブランディングを感じます。
  • シンク素材
    • セントロはクラフツマンデッキシンクと呼ばれるキレイなスクエア型で機能性とデザイン性を両立したシンクを用意しており、あこがれます。(W900mm)
    • ステディアは水が流れやすい流レールを採用しており、人工大理石とステンレスが選べます。ラクエラは素材的には人工大理石とステンレスが選べますが、流レール対応でないので差別化されています。
  • シンク形状
    • ラクエラは標準シンクと静音仕様の「美・サイレントシンク」が選べます。
    • ステディアは水が流れやすい「流れレール」と静音仕様の「美・サイレントシンク」が選べ、最上級のセントロは流レ―ルのクラフツマンデッキとステンレスのみの選択です。
    • 上級グレードになるほどいろいろ選べるわけではないところが面白いところです。
  • シンクサイズ
    • ラクエラは標準サイズ(W650mm)とワイドサイズ(W820mm)のステンレスと人工大理石(W710mm)を選べます。静音仕様の「美・サイレントシンク」も同サイズで展開。
    • ステディアは標準サイズ(W750mm)とスリムタイプ(W600mm)のステンレスと静音仕様の「美・サイレントシンク」が標準サイズ(W670mm)とワイドサイズ(W820mm)の設定です。人工大理石は流レール対応でW780mmとなります。
    • セントロのクラフツマンデッキはW900でもう一つはステンレスの流レールシンク。
    • 設定がややこしすぎる・・・。メーカーで考えられた機能が中級グレードのステディアから採用されているので、これをPUSHしたいのだとは思いますが、サイズなどが統一されていればもう少しわかりやすいのになぁと思いました。
  • フロアユニット
    • グレードごとに細かい違いはありますが、基本的にポケットとスライドボックスという形状で、強くアピールする機能などは見当たりません。質実剛健といったイメージでしょうか。

流レールやワークトップ、扉カラーなど選択肢の広い「ステディア」が候補になると思います。なんとなく商品構成も物足りないラクエラとターゲットを絞り込んだセントロを用意しており、メーカーのステディア誘導にはまっている気がします。

TOTOのシステムキッチンの違い

TOTOはすべり台シンクや継ぎ目のないシンクなど清潔さがウリで、洗面台やトイレのイメージが強いですが、キッチンも頑張っています。

ミッテザ・クラッソ
アイランド型
扉カラー3660
ワークトップ人工大理石/ステンレスクリスタル/人工大理石/ステンレス
シンク素材人工大理石/ステンレス 人工大理石/ステンレス
シンク形状/サイズすべり台or標準
[標準/スリム]
スクエアすべり台・すべり台・標準
[標準/スリム]
フロアユニットポケット/スライドトレーポケット/スライドトレー

  • システムキッチン形状
    • TOTOは設置形態にあまり制限がないので、欲しい機能やデザインでグレードを選べます。
  • 扉カラー
    • グレードが上がると扉のカラー・形状・質感・取っ手の種類が多く選べるようになります。
    • ザ・クラッソは質感や形状などかなり広い選択肢があります。
  • ワークトップ
    • どちらも人工大理石とステンレスが選べますが、ザ・クラッソはクリスタルが選択できます。手前が透明で奥に柄がはいるようなデザイントップで圧倒的なおしゃれ感です。
  • シンク素材
    • どちらも人工大理石とステンレスが選べます。
  • シンク形状
    • どちらも排水溝に向かって水が流れる「すべり台シンク」が人工大理石でもステンレスでも選べます。
    • ザ・クラッソのスクエアすべり台シンクはきれいなスクエア形状ですっきりと見えます。
      TOTOは上位グレードで直線と機能美のような美学でとても好感が持てます。
  • シンクサイズ
    • ミッテのすべり台シンクの人工大理石はW760mm、ステンレスもW760mmです。
      通常タイプの人工大理石は標準(W764mm)、スリム(W614mm)、ステンレスは標準(W764mm)、スリム(W594mm)です。
    • ザ・クラッソのスクエアすべり台シンクの人工大理石はW760mm、ステンレスもW760mmです。
      奥行の出っ張りが無くなるので「スクエア」というネーミングになっています。
  • フロアユニット
    • ポケットやスライドトレーは用意されていますが、こちらも強くアピールする機能などは見当たりません。
    • コンロ用のスパイス用小引き出しは気が利いてるなと思います。

TOTOはグレード間の大きな差がないので、カラーなどが合えばミッテで十分かと思います。水栓を取り付ける部分の面積が大きいので、他社と比べると奥行きが稼げないのが難点です。ザ・クラッソのスクエアすべり台シンクで横向きにフライパンなどを置くようなイメージで使われるのであれば選択肢になると思います。
あえて選ぶなら「ザ・クラッソ」かなと。

タカラスタンダードのシステムキッチンの違い

なんといっても「ホーロー」を使いこなしているのがタカラスタンダードの強みです。汚れやキズに強く、システムキッチン全体がキッチンパネルで作られているようなメリットがあります。

エーデルトレーシアレミュー
アイランド型
扉カラー71823
ワークトップアクリル人工大理石/人工大理石/ステンレス アクリル人工大理石/人工大理石/ステンレスクォーツストーン/アクリル人工大理石/ステンレス
シンク素材
アクリル人工大理石/ステンレス
アクリル人工大理石/ステンレス アクリル人工大理石/ステンレス
シンク形状/サイズ標準
[標準/スリム]
家事らくorユティリティor標準
[標準/スリム]
家事らくorユティリティor標準
[標準/スリム]
フロアユニットポケット/スライドトレーポケット/ホーロースライドトレー ポケット/フロントポケット/ホーロースライドトレー

  • システムキッチン形状
    • アイランド型はトレーシアやレミューなどの中上級グレードから対応です。
  • 扉カラー
    • グレードが上がると扉のカラー・形状・質感・取っ手の種類が多く選べるようになります。
    • 他社と比べると選択できるカラーが少し少ない気もしますが、好みのカラーがあれば問題がないレベルです。
  • ワークトップ
    • いずれのグレードも人工大理石とステンレスが選べますが、レミューはクォーツストーンが選べます。
      天然水晶を使って質感と強度を上げています。
    • クォーツストーン、アクリル人工大理石(ハイグレード)、アクリル人工大理石、ステンレスと人工大理石を細かく分類して選択できます。(※メーカー表記は人造大理石)
  • シンク素材
    • いずれのグレードも人工大理石とステンレスが選べます。
  • シンク形状
    • 中上級グレードのトレーシアとレミューは人工大理石の「家事らくシンク」が選択できます。シンク内に3段の段差が作られており、水切り・調理補助・調理台とシンクを効率的に利用できます。
      ゴミ捨てエリアが標準装備でシンク上で調理してゴミをそのままゴミエリアに入れるような使い方ができるところがウリです。
    • ステンレスは「ユーティリティーシンクE」が中上級グレードのトレーシアとレミューで選択でき、家事ラクシンクと同様にシンク内に3段の段差が作られており、水切り・調理補助・調理台とシンクを効率的に利用できます。
      綺麗なエッジのないスクエア型がいいですね。
    • 人工大理石、ステンレス共に全グレードで内側に段差のつかない標準タイプのシンクが用意されています。
  • シンクサイズ
    • 人工大理石の家事らくシンクはW860mm、標準タイプがW750mm、ステンレスのユーティリティーシンクEがW760mm、標準タイプがW770mm、スリムタイプでW600mmなどがあります。
    • タカラスタンダードはワークトップとの組み合わせやグレードごとの利用可否が細かく設定されていますので、メーカーサイトやリフォーム会社さんの確認をお勧めします。
  • フロアユニット
    • いずれのグレードもポケットやスライドトレーは用意されていますが、レミューはポケットやスライドトレーがホーローのものを選択できます。
    • レミューはフロントポケットに対応するので、小物だけを取り出すポケットが手前に倒れる形で設置可能です。

タカラスタンダードはシステムキッチン全体・引き出し内の底面・ポケット等を「ホーロー」で作ることができるのが他者にない圧倒的な強みです。”汚れに強くて掃除がしやすい”というのはかなりそそられるキーワードですし、磁石もつくので使い勝手も良いと思います。
バランスの良い「トレーシア」が候補です。

トクラスのシステムキッチンの違い

トクラスはシンプルでおしゃれなデザインがずば抜けてますね。普段利用する生活用品でありながら上質なデザインと機能が両立している点は他社にはない強みです。YAMAHAのセンスをうまく生かしていると思います。

ビービーベリードルチェエックス
アイランド型アイランド型専用
扉カラー33180125
ワークトップ人工大理石 人工大理石
シンク素材人工大理石 人工大理石
シンク形状/サイズ[半円/標準/スリム][奥までシンク/半円/標準/スリム]
フロアユニットポケットポケット/スライドトレー

  • システムキッチン形状
    • アイランド型は全てのグレードで選択できます。
      トクラスはアイランド型やペニンシュラ型で活きてきますね。
    • ドルチェエックスは明らかに万人向けではなさそうなので対象から外しました。
      素敵ですけどねー。
  • 扉カラー
    • カラーの選択幅がとても大きいです。特にベリーなどは114色のカラーパレットが用意されていて、ほぼ無限にような勢いです。
    • デザインやおうちのトーンの統一などに重点を置かれる方には最適なチョイスかと思います。
  • ワークトップ
    • いずれのグレードも人工大理石のみの設定です。
      おしゃれに突き進んでステンレスは採用されなかったのでしょうか・・・。
  • シンク素材
    • こちらも人工大理石のみの設定です。
  • シンク形状
    • 他社にあるような機能性の違いでのラインナップではなく、デザインで推してくる斬新なスタイルです。半円形(手前から見ておまんじゅう型)とスクエアの2種類になります。
    • ベリーは水栓部分を端に寄せた「奥までシンク」、シンクそのものがL字型の「マーブルファミリーシンク」、スモールサイズの「パーティーシンク」など他社にはない設定もあります。
  • シンクサイズ
    • 半円型はW800mm、スクエア型はW780mm、スリムタイプでW650mmの設定があり、7色のからーを選べます。
    • 家事らくシンクはW790mm、その他はビービー・ベリー共に共通です。
  • フロアユニット
    • ビービーはポケットの設定、ベリーはポケットとスライドトレー、小引き出しの設定があります。
    • ここでも機能のウリよりはデザインと「シンプルさ」を前面に出しています。

シンプルでおしゃれ、カラーリング豊富さといったデザイン面を重視するなら最初に選択してよいメーカーさんだと思います。機能比較が大好きな私は機能面での充実を選択要素で重みづけをしましたが、デザイン性を重視するのもアリだなぁと思わせるシリーズです。

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